話題の『THE MODEL』をAI視点で読み解いてみた

本とAIの融合イメージ

SaaS営業やBtoBマーケティングに関わる人で、福田康隆氏の著書『THE MODEL』を知らない人はいないでしょう。

マーケティング、インサイドセールス(IS)、フィールドセールス(FS)、カスタマーサクセス(CS)の4部門でプロセスを分業し、数値で科学的に管理する。

この手法は、日本の営業組織に革命をもたらしました。

しかし、2026年の今、あえて問いたいと思います。

「私たちは、『THE MODEL』を正しくアップデートできているだろうか?」

AI技術がこれだけ進化した今、かつての「分業モデル」は、そのままでは通用しなくなっています。

今回は、名著『THE MODEL』をAI視点で再解釈し、次世代の営業組織のあり方を考察します。

目次

「分業」が生んだ最大の弊害:情報の分断

『THE MODEL』の本質は「プロセスの分業による専門化」ですが、多くの企業で副作用が発生しました。いわゆる「サイロ化(縦割り)」です。

  • マーケ: 「リード数は目標達成しました(質は知らないけど)」
  • IS: 「アポ数は稼ぎました(受注するかはFS次第だし)」
  • FS: 「ISからのトスが微妙だから失注した」
  • CS: 「営業が無理な約束をして売ったから、解約された」

部門間に壁ができ、顧客の情報がバケツリレーのようにこぼれ落ちていく。

これを防ぐために、定例会議やSFAへの入力ルールが増え、皮肉にも効率が落ちていく…。

これが、多くの組織が陥っている「THE MODELの罠」です。

AIが「壁」を溶かす

しかし、AIの登場でこの景色は一変します。AIは、部門間の壁を溶かす「最強の接着剤」になるからです。

1. 「言った言わない」をなくす(情報の完全同期)

これまでは、ISが電話で聞いた内容をSFAに手入力し、FSがそれを読むという「伝言ゲーム」でした。

AIを使えば、全通話が自動で要約・解析されます。

FSは商談前に、AIがまとめた「顧客の温度感」「懸念点」「競合状況」を30秒で把握できます。

「情報の劣化」がゼロになることで、ISとFSはあたかも一人の人間のように振る舞えるようになります。

2. 「リードの質」論争を終わらせる(客観的スコアリング)

「マーケが持ってくるリードが悪い」「いや、営業のクロージングが下手なだけだ」

この不毛な争いもAIが終わらせます。

過去の失注データやWeb行動履歴をAIが分析し、「このリードの受注確率は〇%」と客観的にスコアリングします。

感情ではなくデータで会話ができるようになれば、部門間の対立は「どうすればスコアを上げられるか?」という建設的な議論に変わります。

新しいTHE MODEL:分業から「共闘」へ

AI時代のTHE MODELは、「分業(Division)」から「共闘(Orchestration)」へと進化します。

プロセスは分かれていても、データとAIが裏側で全てを繋いでいる状態。

顧客から見れば、マーケティングのメールから、営業の提案、導入後のサポートまで、「一つの人格」と対話しているような一貫した体験が得られる。

これこそが、AIを前提とした2026年版の『THE MODEL』です。

結論:ツールではなく「顧客」を見よ

著者の福田氏も言及していますが、『THE MODEL』は単なる組織図やKPI管理の手法ではありません。

本質は「顧客の購買プロセスに寄り添うこと」です。

AIはそのための手段に過ぎません。

しかし、これほど強力な手段を使わない手はありません。

分業の壁に苦しんでいる組織は、一度立ち止まって考えてみてください。

「私たちはプロセスを守るために仕事をしていないか?」

「AIを使って、もっと滑らかにバトンを渡せないか?」

『THE MODEL』を卒業するのではなく、AIで「超・THE MODEL」へと進化させる。

それが、これからのリーダーに求められる挑戦です。


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部門間の連携をスムーズにするには、まず「情報の入り口」である商談データの自動化から。SFA入力の手間をなくし、正確な情報を共有するためのAI活用法はこちら。

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