フレームワーク分析プロンプト集|SWOT・4P・BANT×AI実用ガイド

SWOT・4P・BANT・MEDDIC・PESTのフレームワークをAIプロンプトで分析する営業向けまとめ集のイメージ

分析は、営業の武器である。だが現場の本音はこうだ。「SWOTもBANTも大事なのはわかる。だが、毎回ゼロから埋めている時間がない」と。

結論から言う。フレームワーク分析は、AIに型でやらせれば10分で叩き台が出る。空欄のテンプレートと格闘するのをやめ、自社情報を渡して「この型で整理しろ」と指示するだけでいい。完成度8割の草案が瞬時に返ってくる。

本記事は、営業がよく使う分析フレームワークごとに、AIへ投げるコピペプロンプトをまとめた実用集である。SWOT分析、4P、BANT、MEDDIC、PESTを順に取り上げ、3Cは概要のみ扱う。各プロンプトは角括弧に自社情報を差し込むだけで動く。明日の商談準備から、そのまま使ってほしい。

目次

フレームワーク分析をAIで回すときの共通のコツ

個別のプロンプトに入る前に、どの型でも効く2つの原則を押さえておく。これを外すと、AIは一般論しか返さない。

ひとつ、情報を与えること。「うちの会社をSWOTで分析して」とだけ打っても、AIは世間一般の知識で埋めるしかない。自社の事業内容、商品、顧客層、競合名、直近の課題を渡してはじめて、現場で使える分析になる。情報の質が、出力の質を決める。

ふたつ、出力形式を指定すること。表で欲しいのか、箇条書きで欲しいのか、各項目を何個出してほしいのかを明示する。形式を指定しないと、長い散文が返ってきて結局自分で整形する羽目になる。

この2点を踏まえ、以下のプロンプトには「情報を差し込む欄」と「出力形式の指定」をあらかじめ組み込んである。

フレームワーク別・コピペAIプロンプト集

ここからが本体である。それぞれ、フレームワークの一言説明、コピペプロンプト、出力イメージの順で示す。角括弧の部分を自社の情報に置き換えて使う。

SWOT分析(自社の現在地を4象限で掴む)

強み・弱み・機会・脅威の4象限で、自社の置かれた状況を整理する定番の型である。事業戦略から個別商談の作戦立案まで、応用範囲が広い。

あなたは経験豊富な経営コンサルタントである。
以下の情報をもとに、SWOT分析を行ってほしい。

【事業内容】[例:中小企業向けの業務システム開発・販売]
【主力商品】[例:勤怠管理SaaS、月額3万円から]
【顧客層】[例:従業員50〜300名の製造業]
【主要競合】[例:A社、B社]
【直近の課題】[例:大手の値下げ攻勢、解約率の上昇]

出力は以下の形式で。
- Strengths / Weaknesses / Opportunities / Threats の4区分
- 各区分は3〜5個の箇条書き
- 最後に「強み×機会」を活かす具体策を3つ提案

出力イメージとしては、4象限が箇条書きで埋まったうえで、末尾に「自社の強みを成長市場にどうぶつけるか」というクロスSWOTの打ち手まで返ってくる。ここまで来れば、戦略会議の叩き台として十分機能する。

4P(マーケティングミックスを点検する)

Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の4要素で、自社の売り方を点検する型である。新商品の売り出し方を詰めるときや、既存商品の伸び悩みの原因を切り分けるときに効く。

以下の商品について、マーケティングの4P分析を行ってほしい。

【商品】[例:営業向けAI議事録ツール]
【想定顧客】[例:中小企業の営業マネージャー]
【価格帯】[例:1ユーザー月額2,000円]
【現状の販売チャネル】[例:自社サイトと代理店]
【課題】[例:認知が広がらない]

出力は表形式で。
- 行:Product / Price / Place / Promotion
- 列:現状の整理 / 改善の打ち手 / 優先度(高・中・低)
表の下に、最優先で着手すべき施策を1つ、理由つきで示すこと。

出力イメージは、4要素が表で並び、各要素に対する改善案と優先度が一覧化される。販促だけ頑張っても価格設定がずれていれば売れない、といった全体の歪みが見えてくる。

BANT(商談の見極めに使う)

Budget(予算)、Authority(決裁権)、Need(必要性)、Timeframe(導入時期)の4観点で、その商談が今追うべき案件かを見極める型である。限られた時間をどの案件に注ぐかを判断する、営業の現場に直結したフレームワークだ。

以下の商談メモをBANTの観点で整理し、案件の確度を評価してほしい。

【商談メモ】
[ここに商談で聞き取った内容を貼り付ける]

出力は以下の形式で。
- Budget / Authority / Need / Timeframe の4項目
- 各項目を「判明している事実」と「未確認・要ヒアリング」に分けて記載
- 4項目を踏まえた確度を A / B / C で判定し、理由を一言
- 次回商談で確認すべき質問を3つ提案

出力イメージとしては、商談メモがBANTの4項目に仕分けられ、何がわかっていて何が抜けているかが明確になる。「予算は不明、決裁者は別にいる」と可視化されれば、次に何を聞くべきかが定まる。ヒアリングの抜け漏れ防止に効く。

MEDDIC(大型・複雑案件を制御する)

Metrics(定量効果)、Economic Buyer(決裁者)、Decision Criteria(意思決定基準)、Decision Process(意思決定プロセス)、Identify Pain(課題)、Champion(推進者)の6観点で案件を管理する、より精緻な型である。複数の関係者が絡む大型案件や、検討期間の長いエンタープライズ商談で威力を発揮する。

以下の案件情報を、MEDDICフレームワークで整理してほしい。

【案件概要】[例:従業員1,000名の企業へのSaaS導入提案]
【これまでの経緯】[例:情報システム部の担当者と3回面談]
【把握している情報】
[ここに案件で得ている情報を貼り付ける]

出力は以下の形式で。
- Metrics / Economic Buyer / Decision Criteria / Decision Process / Identify Pain / Champion の6項目
- 各項目に「現状の把握度」を5段階スコアで付与
- スコアの低い項目について、リスクと埋めるための行動を提示
- 受注に向けた次の一手を、優先順に3つ

出力イメージは、6項目それぞれの把握度がスコア化され、弱い箇所が炙り出される。「決裁者に会えていない」「社内の推進者がいない」といった、大型案件が頓挫する典型パターンを事前に潰せる。

PEST(外部環境の大局を読む)

Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4観点で、自社を取り巻くマクロ環境を捉える型である。中期の事業計画を立てるときや、新規市場への参入可否を判断するときの土台になる。

[例:法人向けAIツール業界]について、PEST分析を行ってほしい。

【自社の立ち位置】[例:中小企業向けにAI導入支援を提供]
【関心のあるテーマ】[例:今後3年の市場機会とリスク]

出力は以下の形式で。
- Politics / Economy / Society / Technology の4区分
- 各区分に、業界に効く要因を2〜4個
- 各要因が自社にとって追い風か逆風かを明記
- 全体を踏まえ、自社が取るべき方針を3点に要約

出力イメージは、4区分にマクロ要因が並び、それぞれが機会か脅威かのラベル付きで整理される。法改正や技術トレンドといった、個社の努力では動かせない大きな流れを俯瞰し、戦略の前提として使える。

3C(市場・競合・自社を三位一体で見る)

Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3視点で事業環境を分析する、戦略立案の基本フレームワークである。営業戦略を組み立てる土台として極めて使い勝手がよい。

3Cはプロンプトの設計次第で精度が大きく変わるため、本記事では概要にとどめる。実際のコピペプロンプトと、競合分析を深掘りする使い方は、AI×3C分析で営業戦略を加速するプロンプト集で詳しく解説している。3Cを本格的に回したい場合はそちらを参照してほしい。

使うときの注意点

便利だからこそ、外してはいけない一線がある。

AIの出力は、あくまで叩き台である。完成品ではない。AIは渡された情報と一般知識から「それらしい分析」を組み立てるが、自社の固有の事情や、現場の肌感覚までは持っていない。出てきた分析を鵜呑みにせず、自分の頭で「本当にそうか」と問い直す工程は省けない。

事実は必ず検証すること。とくにPESTのように外部環境を扱う分析では、AIが古い情報や不正確な数字を混ぜることがある。市場規模、法改正、競合の動向といった事実関係は、一次情報で裏を取ってから使う。AIに分析の骨組みを作らせ、人間が事実と判断で肉付けする。この役割分担が、使いこなしの肝である。

もうひとつ。フレームワークは思考の補助線であって、目的ではない。型を埋めること自体に満足してしまっては本末転倒だ。埋めた先で「だから自社はどう動くか」を決められて、はじめて分析は意味を持つ。

なお、分析で見えた顧客の課題を、商談で響く提案へ翻訳する局面では、別の型が要る。御用聞きから抜け出し顧客自身も気づいていない課題を提示する手法は、御用聞き営業を卒業するインサイト営業変換プロンプトにまとめた。分析の次の一手として組み合わせると効く。

Next Action

まずは、今あなたが抱えている案件か自社の状況を1つ選び、対応するプロンプトを1本コピーすることから始めてほしい。

  1. 自社の戦略を整理したいなら、SWOTかPESTのプロンプトを開く
  2. 目の前の商談を見極めたいなら、BANTかMEDDICのプロンプトを開く
  3. 角括弧の部分に、自分が持っている情報を流し込む
  4. 出てきた叩き台に、自分の判断で赤を入れる

完璧な情報が揃うのを待つ必要はない。手元にある情報で一度回してみれば、何が足りないかが逆に見えてくる。その「足りない項目」こそ、次のヒアリングで埋めるべき宿題である。型に当てはめる作業はAIに任せ、あなたは判断に集中する。それが、分析を武器に変える最短ルートだ。

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